小鳥 嗉嚢(そのう)停滞
2026.03.10
小鳥 嗉嚢(そのう)停滞
嗉嚢停滞とは嗉嚢が蠕動不全により収縮しなくなり、貯留した餌や飲水の重みで下垂していく疾患で、セキセイインコに多く発生します。主な原因に下記のようなものがあります。嗉嚢内に餌または飲水が異常に長時間滞留した状態では、嗉嚢内に悪玉菌が繁殖しやすく嘔吐や吐出による誤嚥が生じることがあります。
● 原因
・過食/過飲水、幼鳥時の過剰な挿し餌
・体温低下(幼鳥)、ストレス
・迷走神経障害(金属中毒、ボルナウイルス感染など)による消化管蠕動の低下
・異物、腫瘍による消化管閉塞
・先天性奇形
正常な位置の嗉嚢(セキセイインコ)
下垂した嗉嚢(セキセイインコ)
● 症状
・嗉嚢の下垂
・嘔吐、吐出
・嗉嚢内容物の腐敗による酸臭(sour crop)
・脱水
・食欲元気の廃絶、沈鬱、膨羽
● 診断
主に特徴的な外貌と触診により嗉嚢の伸展を確認し診断します。また食餌内容や飼育環境を問診し、原因となる過食および過飲水の有無を確認します。過飲水がある場合は多飲多尿の可能性があるため鑑別が必要となります。多飲多尿の原因には糖尿病、肝障害、腎機能障害、心因性、発情などがあります。レントゲン検査では嗉嚢内容物の確認と金属片の誤食、腺胃の拡張などを評価します。
嗉嚢が下垂した症例のレントゲン像
(セキセイインコ)
● 治療
機能的に嗉嚢の蠕動運動が低下した場合、まずは保温を行い全身状態を整えてから、点滴や消化管機能改善薬の投与などの支持治療を行います。また、嗉嚢内に滞留した食餌から悪玉菌が繁殖するのを抑えるために抗菌剤を投与します。嗉嚢内容物の腐敗がある場合を吸引して取り除きます。異物や腫瘍などの機械的要因による閉塞が原因の場合は外科手術が必要となります。
嗉嚢停滞は完治が難しい病気です。拡張してしまった嗉嚢に対して嗉嚢圧迫帯(テーピング)を行うこともあります。





