オウム類の嘴・羽毛病
2025.09.24
オウム類の嘴・羽毛病
Psittacine Beak and Feather Disease:PBFD
最小のウイルスの一つであるサーコウイルスが原因で、羽毛障害や脱羽を引き起こし、末期には免疫不全を引き起こす恐ろしい病気です。さらに厄介なことに、非常に感染力が強く、環境中にも長期間生存可能で、多くの消毒薬に抵抗性を示します。
3歳齢以下の多くのインコ・オウム類に感染する可能性がありますが、鳥種によって感受性が異なります。
| 感受性が高い鳥種 | セキセイインコ、ヨウム、バタン、ラブバードなど |
|---|---|
| 感受性が低い鳥種 | オカメインコ |
● 症状
・脂粉の減少
・脱羽、羽毛障害(羽軸内血液凝固、未成長羽など)
・嘴の異常(主に大型種)
・赤色羽毛(ヨウム)
・免疫抑制による易感染
羽軸内血液残留(セキセイインコ)
赤色羽毛と正羽の脱羽(ヨウム)
● 診断
確定診断は遺伝子検査(PCR)によるウイルスの検出になります。当院では、お迎えしたばかりの幼鳥や若鳥の健康診断でPBFDの遺伝子検査をおすすめしています。
● 治療・予後
残念ながら、今のところPBFDの有効な治療法は確立されておらず、大型種が発症した場合は予後不良です。しかし、早期に発見し、免疫力を上げる治療をすることで、セキセイインコでは陰性化することが報告されています。





