モルモット 皮膚疾患④
モルモット 皮膚疾患④
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は主にTrichophyton memtagrophytes という真菌(カビ)によって引き起こされます。それ以外にもMicrosporum canisやMicrosporum gypsemという真菌が分離されることがあります。モルモットは潜在的に皮膚糸状菌を保菌しており、無症状キャリアが6~14%に及ぶという報告があります。テディやテディサテンなどの品種は皮膚糸状菌への感受性が高い傾向にあるという報告もあります。
皮膚糸状菌の病原性は強くはないですが、若齢または老齢個体、不適切な飼育環境や食餌内容、ストレス、基礎疾患などによる免疫低下によって発症します。ケラチンを栄養源とし皮膚の角質や被毛に感染します。好発部位は鼻梁、耳、口唇などの顔面で、進行すると四肢や背部体幹へと拡がります。環境中でも生存できるため、直接接触や飼育用品(床材や寝具)などを介して伝播します。また皮膚糸状菌症は人獣共通感染症(ズーノーシス)です。
● 症状
・落屑(フケ)、脱毛
・軽度の掻痒、痂皮
・限局性のリング状脱毛
・二次感染を伴う炎症、擦過傷
鼻梁の脱毛と鱗屑
頭頂部の脱毛と白色鱗屑・苔癬化 (疥癬との重複感染)
ヒトへの感染(リング状の病変)
● 診断
被毛や鱗屑を採取し顕微鏡で菌糸を確認するか、真菌培養検査にて診断します。真菌培養検査は白色コロニーを形成し、培地が赤色に変化したら陽性となります。通常検査結果がでるのに2~3週間ほどかかります。
皮膚糸状菌の菌糸
真菌培養検査:陽性
● 治療
治療は基本的に全身性の抗真菌薬を投与します。投薬は通常4週間以上必要となります。軽度で局所的な感染では剃毛し、消毒や抗真菌外用薬を使用する場合もあります。皮膚糸状菌は落下した皮膚や被毛から再感染することがあるため、衛生管理には注意が必要です。同居動物がいる場合には隔離します。またヒトへも感染するため、過度なスキンシップは避け、動物を触った後は手洗いを徹底します。特に免疫力の低い子供や高齢者は接触に注意が必要です。






